メイクの先生を辞めた理由

「メイクの才能がある」からといって、メイクの先生が適職とは限りません。メイクアップは自己表現を楽しむ方法のひとつに過ぎませんでした。

もくじ

こんにちは!インバウンド実践をサポートしている津田麻美恵です

今日の記事では、私が2023年に「メイクの先生を辞めよう」と決心した背景などをお伝えします

「インバウンドについてのウェブサイトで、どうして自分の話をするの?」と疑問に思ったかもしれません。
しかし、インバウンド実践において、まずは自分自身のことを深く知ることはとても大切です。

あなたも、今までに「新しく始めたこと」以外に「辞めたこと」もあると思います。そういった決断には、あなたの価値観が反映されています。今までに辞めたことや、諦めたこと・・・思い出すことが辛い場合にはをしてまで思い出す必要はありません。だけど、少しずつ思い出して、過去の決断や結果と向き合いながら、その時の状況や感じていたことなどを言葉にしてみてください。きっと、あなたがビジネスをする上で大切にしている信念や価値観が見つかるはずです。

それでは、私がメイクの先生を辞めた理由とは?さっそく、紹介していきます。

メイクの先生を始めたきっかけ

まずは、私がどうしてメイクの先生を始めたのか、そこからお話をさせてください。
メイクの先生になった理由は大きく2つありました。1つは「物販ができる」こと、そして「メイクの才能を褒めてもらったから」というものです。

レッスンだけでなく、物販もできる

最初の理由は、メイクの先生になればメイクレッスンだけでなく、物販もできるからというもの。

「メイクの錬成」と言えば、メイク方法を教えてくれるというのが一般的なイメージだと思います。もちろん、多くのメイクサロンではメイク道具の使い方からメイクの仕方まで丁寧に教えてくれます。

ですが、メイクサロンで物販を行っているというサロンは意外と少ないのです。

なぜなら、メイクレッスンで使うメイクアップ商品は百貨店やコスメストアで販売されているものが多く、個人のサロンが正規ルートで仕入れるというのは難しいから。また、コスメは種類も多くなるので、たくさんのブランドを揃えるとなるとかなりの場所が必要になります。コスメショップを経営するならともかく、あくまでもメイクレッスンを行いたいというのであれば、取り扱うコスメの数はどうしても限られてしまうのです。

ですが、私の場合は「カマタメイクアップスクール」を卒業していて、スクールとアドバイザー契約をおこなうことで、スクールが製造販売しているmakoto kamata VISAGEというコスメとスキンケアブランドを仕入れることができました

makoto makata VISAGEのブランド名は、日本を代表する世界的なメイクアップアーティスト植村秀先生(シュウ ウエムラ)がつけたもの。鎌田誠先生がシュウウエムラメイクアップスクールを引き継いで、カマタメイクアップスクールを立ち上げる際に、そこで取り扱うコスメとスキンケアブランドに「VISAGE」と名付けてくれたそうです。visage(ヴィザージュ)とは、フランス語で「顔」という意味。飾らないネーミングにシュウ先生らしさを感じます。

makoto kamata VISAGEはプロ仕様のコスメとスキンケアですが、実は楽天市場に直営店があります。そちらで商品の一部を購入することができるので、興味がある方はぜひチェックしてみてください

ちなみに、シュウウエムラといえば「クレンジングオイル」が有名ですよね!?
実は、シュウウエムラのクレンジングオイルはmakoto kamata VISAGEにも受け継がれており、私個人の意見としてはシュウウエムラ以上のクレンジングオイルだと思っています。(なんせ、シュウウエムラは外資に買収されてしまって、経営方法だけでなくその信念も変わってしまいましたから・・・🥺)

ちょっと話が逸れてしまいました😅

メイクやスキンケアアイテムは、未開封での使用期限は2年が基本です。そのため、一度仕入れてしまえば、気長に販売することができます。また、使用期限が切れてしまっても、実は製造過程における品質テストで3年以上でも特に問題なく使用することが出来る場合が多いのです(化粧品業界にいたからこそ知っている事実)。

そのため、仮に使用期限が切れて在庫として残ってしまっても、自分で使用して使い切ることができます。
まぁ、売上にもならないですし、処分するという意味では廃棄と変わりませんが😅
それでも、捨ててしまうよりは精神的ダメージは少なくなります。

「メイクの才能」を認めてもらった

2つ目の理由は、メイクスクールなどで私のメイクスキルを「才能がある」と褒めてもらったからです。

カマタメイクアップスクールに在学中は、卒業時のスクール内コンテストで最優秀賞を受賞しました。その際、鎌田校長先生から「アーティストとしてずば抜けている」と評価していただきました。

今まで自分のことを褒めてもらう機会などあまりなかった私としては、この評価はとても嬉しかったですし、自信にもつながりました。もちろん、今でも自分のメイクセンスには自信ありです⭐️

「褒めてもらった期待に応えたい」という思いもあり、独立する際にはメイクアップアーティストとして独立し、事業としてはメイクレッスンと化粧品販売を行うことにしたのです。

「メイクの先生」に感じた違和感

こういった理由で、メイクの先生として事業を開始した私。ですが、事業が始まってすぐに違和感を覚え始めました。

メイクの正解を求められる

最初に感じた違和感は、「メイクの正解」を求めてレッスンにくる方が多かったこと。

私にとってメイクアップは、自分らしさを表現して楽しむもの。
それなのに、レッスンに来る人たちは、「今の自分ではいけない」という思いに囚われているようでした。

「シミを消したい」「目を大きくしたい」「キレイになりたい」・・・お客様の悩みが尽きることはありませんでした。

残念ながら、メイクアップというのは、実際に目を大きくしたり、鼻を高くするような外科手術ではありません。もちろん、肌のたるみをどうにかすることもできません。

印象を変える。それが、メイクアップにできることです。

もしかすると、私のサロンに来ていたお客様は「特殊メイク」のようなメイクを期待して来店されていたのでしょうか・・・🤔?そうだとすると、私には特殊メイクのスキルがありませんので、何もお伝えできることはありません。私が教えることができるのは、メイクアップだけです。

私は、メイクをすることで、ご自身だけの美しさや魅力に自分で気づけるようになってもらいと考えていました。メイクは自分らしさを表現して楽しむものだという信念は、今でも変わりません。ですが、お客様が求めていたことは、私が提供したいことの正反対でした。

「自分を訂正できるメイクを教えて欲しい」

ありのままの自分を受け入れることができないなんて、なんて生きづらいのだろう、お客様とお話しするたびに感じました。私自身の信念を貫けないこともまた、とても辛いことでした。

「自分を大切に」が伝わらない

メイクの先生をして、お客様と出会う中で発見したことは、「きれいになりたい」と口先ではいうものの、「自分を大切にしていない人が多すぎる」ということでした。

「見た目」というのは、その人物の取り扱い説明書のようなものです。

つまり、見た目がキレイであれば、その人は他の人からも大切にされます。

しかし、見た目に全く気を使わずにいる、あるいは、好ましくない見た目をしていれば、その人の周りにいる人は、その人物を大切にしたいとは感じないものなのです。

念の為にお伝えしておきますが、私が言う「見た目」とは、単純に目が大きいとか、シミシワのない肌をしているとか、そういった容姿だけを指しているのではありません。服装や、ヘアスタイル、そして姿勢や立ち振る舞い、話し方。あなたの外側に見えているもの、あるいは感じられるもの全てがその人の「見た目」です。

メイクアップやスキンケアというのは、自分だけのために行う行為です。メイクアップをして、あなた以外の誰かが得をするわけでもありません、あなたの肌がキレイになったからといって、あなたの友人もキレイになることはないのです。

だけど、メイクアップをすれば、自分の気持ちが高揚します。ビューラーでまつ毛を上げれば、瞳に光が指すので、鏡を見るたびに輝く瞳の自分と目が合います。そうすると、気持ちまでアガってくるのです。スキンケアを丁寧にすれば、柔らかな肌に触れるたびに穏やかな気持ちになります。透明感のある肌は、あなたの心も晴れやかにしてくれるのです。

だけど、そういったメイクアップやスキンケアの効果は、それをしている本人だけに有効なのです。しかも、メイクもスキンケアも、よほどのお金持ちではない限り、毎日自分で行う行為です。

自分のために、自分で行う。つまり、メイクアップやスキンケアというのは、究極の自己愛を実践できる方法だといえます。だから、スキンケアやメイクをすれば、それはそのまま自分を大切にするということにつながるのではないでしょうか?

しかし、メイクレッスンに来るお客様は「津田さんがなんとかしくれる」という気持ちできていました。他力本願マインドですね😅

これでは、どんなにメイクやスキンケアをならっても美しくなれるはずがありません。美しさというのは、自分で自分のために行うからこそ手に入ります

信念を曲げてまで続けるべきか

今でも、私にはメイクアップや美に対する信念があります。

その信念を貫いてメイクアップレッスンを行おうとしていましたが、多くのお客様が求めていたことは真逆のことでした。

お客様の期待に応えられないことはない、だけど、信念を曲げてまで続けたいのだろうか?

私の中に大きな疑問が浮かんだのです。

その問いに対して私が出した答えは、NOでした

なぜなら、メイクやスキンケアは私にとって自己表現の一つだから。メイクやスキンケアに対する信念を曲げてまで仕事をするということは、自分らしく生きることを手放すことに他ならなりません。それだけは、絶対にいや。自分らしく生きれないなら、メイクの先生でいることを手放します。それほどまでに、私にとってメイクとスキンケアは大切なものなのです。

人前に出ることに向いていない

メイクやスキンケアの信念とは別にもう一つ。メイクの先生をしていて感じたことがありました。

それは、「私は、人前に出ることが向いていないのではないか?」ということ。

私は子どもの頃から学級委員長やクラブの部長、生徒会長などなど・・・とにかくリーダーポジションに抜擢されることがよくありました。再春館製薬所に入社した際にも、店長候補として指導を受けていました。そして、リーダーに選ばれる理由は大抵、「堂々として華がある」「話が理論的でわかりやすい」「ムードメーカー」というもの。

そういった評価をもらえること自体はとても嬉しいですし、頑張って期待に応えてきました。

でも、やっぱりなんか違う。無理をしているから、頑張らないとこなせない・・・。

それに、大勢の人と会って交流することも、なんとなく苦手です。

本当は、静かな場所でのんびりと1人マイペースに過ごしたい。

裏方で作業をしている方が自分らしいと感じます😊

この時はまだ知らなかったのですが、実は「ウェルスダイナミクス」という自己分析テストによると、私の強みは人前に出ることよりも、裏方で支える役割の方が合っているそうです。この辺りについては、また別の機会にお話ししますね。

メイクの先生を辞める

2019年にメイクアップアーティストとして開業して、メイクアップレッスンを提供してきました。でも、どうしても譲れない思いや、自分自身の適性に対する違和感などがあり、2023年の夏に「もう、メイクの先生を辞めよう!」と決心!

化粧品の仕入れもストップ。各サービスへの登録も解約しているところです。

勢いよく始めたこともあり、違和感を感じていてもなかなか辞めるという選択ができませんでした。だけど、一度「辞める!」と決めてしまうと、すごく気持ちが楽になりました。

次からは、自分の得意なことに専念すればいい

そのために、2024年に入ってからは次の準備を行なっています。サービス内容も見直して、新たな学びも始めました。

メイクの先生を辞めた後の話は、また別の機会にお話しさせてください😊

なぜ、やらないのか

ビジネスをしていると、「なぜ、が大事」と言う話をよく耳にすると思います。また、あなたの「なぜ」を伝えることで、人々の共感を呼び、それがビジネスの成長につながっていくと言われます。

ところで、この「なぜ」について。

「なぜ、それをするのか?」という質問はよく見かけますが「なぜ、やらないのか?」という話はあまり聞きません。そんなことはないでしょうか??私だけ😅?

確かに、何かをはじめるにあたり、強い動機があれば、それだけたくさんの人を巻き込むことができるのだと思います。

ですが、ビジネスにおいては「その逆」つまり、巻き込まないあるいは、巻き込まれないことも重要だったりします。例えば、違法ビジネスや合わないお客様です。

実は、海外のマーケティングでは自分の価値観に共感する人を集めることと同じくらい、「自分と合わない人を引き離す(repel people)」ことも大事だとされています。なぜなら、自分の価値観やそれに基づくビジネスに合わない人との関わりは、ビジネスにマイナスの影響を与えやすいから。お互い、「触らぬ神に祟りなし」とういことでしょうか・・・。

なので、この記事を読んでいるあなたも、「なぜ、やめるのか」を自問することをお勧めします。そうすることで、今後の舵取りをスムーズに決めることができるかも知れませんよ!

また、今までに「辞める決断をした!」と言う方がいれば、差し支えのない範囲でコメントに教えてくれると嬉しいです😊

それでは、次回もお楽しみに♪

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