こんにちは!《お客様満足向上アドバイザー》津田まみえです。
今回の記事では、YouTubeライブで解説した「生産管理で【売上アップ】する方法」を解説します!
マルシェやフェスで商品を作って販売している個人事業者さんを想定しながら、生産管理のポイントや売上アップのヒントをまとめています。フェスやマルシェに出店している、あるいはこれから出店するという方は、ぜひ参考にしてください。
また、生産管理でわからないことがあれば、些細なことでもいいのでコメントで教えてくださいね♪
まずは、次の問題に挑戦してください!
生産管理クイズ 01
あなたはマフィンを作って、マルシェで販売しています。一度に作れるマフィンの数は20個です。
【問題】マフィンを20個焼いて販売したところ、午前中で完売しました
このとき、売上アップのために何ができますか?
さて、あなたがこのマフィン屋さんなら、どんな工夫をしますか?
正解:マフィンを20個以上焼く
解説
「午前中で完売した」ということは、午後にも売れたかもしれませんね。
それを確かめるために、次はマフィンを20個以上作って販売してみましょう。
仮説が正しければ、販売個数を増やすだけで売上アップが実現します!
売上アップを考えるタイミング
「売上をアップしたい!」と願うのは、どの事業者さんでも共通です。
しかし、売上アップにはタイミングがあると私は考えています。
そのタイミングとは、「生産量=販売量」になっている時。つまり、「作った分だけ売れる」状態の時です。
今回の問題は、まさに「生産量=販売量」になっているタイミングでした。
生産管理クイズ 02
あなたはマフィンを作って、マルシェで販売しています。一度に作れるマフィンの数は20個です。
【問題】マフィンを20個焼いて販売したところ、 マルシェ終了間際に完売しました
このとき、売上アップのために何ができますか?
正解:早く売れるように販売方法を工夫する
解説
この問題でも、完売することができました。しかし、完売したタイミングは「マルシェ終了間際」とのこと。
「生産量=販売量」にはなっているので、売上アップを考えるタイミングではありますが、今のままでは作る量を増やしても、時間内に完売できるかわかりません。
どうやら、「販売時間が足りない」ようです。
販売時間を確保するためには、もっと早い時間にマフィンを売り切らなくてはいけません。
値引きは避ける
「商品を早く売る方法」として、『値引き』が考えられます。実際、スーパーなど小売店の多くでは、閉店前に値引きを行い、商品を売り切ってしまおうとします。
しかし、本当に値引きは最善策なのでしょうか?
値引きをすれば、その分だけ売上は下がります。ですので、値引きは『売上が落ちても在庫を無くしたい』というような「ここぞ!」という時に使うのがおすすめです。
いつも値引きをしていると、お客様も「あの店は値引きをするから、それまで待とう」という気持ちになってしまい、結局販売ペースが遅くなってしまうという事態にもなりかねません。
生産管理クイズ 03
あなたはマフィンを作って、マルシェで販売しています。一度に作れるマフィンの数は20個です。
【問題】マフィンを20個焼いて販売したところ、 10個販売することができました
このとき、売上アップのために何ができますか?
正解:作る量を減らす
解説
「10個売れた」とありますが、見方を変えれば「10個売れ残った」ということです。
売れ残った商品は、通常「在庫」として残ります。しかし、マフィンは食品です。消費期限や賞味期限を過ぎたマフィンは売ることができないので、処分しなくてはなりません。そうなると、在庫は赤字になってしまいます。
20個作っても、10個残ることが続くのであれば、まずは売り残しを出さないために作る量そのものを減らして対応しましょう。
在庫は赤字
経理の世界では、在庫は「資産」として記録されます。今は在庫として残っていても、今後売れれば売上になるから、という考え方です。
しかし、トヨタ生産方式や制約理論(TOC)といった業務改善の世界では、「在庫は赤字」と考え、在庫数をできるだけ減らすことが求められます。
確かに、将来的に売上につながれば資産になるのかもしれません。ですが、売れる保証はないですよね?
売れる前に、商品としての価値がなくなってしなう可能性があります。
また、在庫として保管するための場所を確保したり、管理する人材やシステムが必要になれば、その分の経費が発生します。在庫を保つために新たな経費(=マイナス)が必要になるというのは、本末転倒な気がします。
特に、個人事業主として経営する場合には、経費は個人の負債となってしまいます。経費をかける余裕がある場合は別ですが、そうでないのならできるだけ経費がかからないように経営を行なっていく必要があります。そのためにも、在庫を抱えないように意識して生産管理を行いましょう。
3つの問題を通して、生産管理の基本となる考え方がなんとなく伝わりましたか?
次は、生産管理についてさらに深く掘り下げていきます。あなたらしい経営のヒントが見つかれば嬉しいです!
「作って、売る」ための3つの工程
マルシェやフェスに出店している方の多くは、何かしらのモノを作って売っている、いわゆる物販を行っている方ではないでしょうか?
私が知っている人も、サンキャッチャーや赤ちゃんの「歯固め」アイテムを作って売っているという方がいます。
さて、「作って、売る」。非常にシンプルなお商売のように思われますが、実は「作って、売る」というのは大きく3つの工程に分けることができます。
モノを作る「生産工程」
最初の工程は「生産工程」。つまり、販売するモノ自体を作る工程です。
今回の記事では、この販売工程にスポットを当てて、売上アップのヒントを解説しています。
モノを運ぶ「物流工程」
マルシェやフェスに参加しているということは、あなたがモノを作る場所と販売する場所は別々だと思います。だから、作ったモノは販売する場所まで運ぶ必要があります。そのための工程が物流工程です。
物流工程では、運ぶものが大きかったり、運ぶモノの数が増えれば、それだけ負担が大きくなります。売上を生み出す工程ではないため、経費の負担が増えないように気をつけましょう。
モノを売る「販売工程」
作ったモノを販売して、実際の売上を得るための工程です。販売工程では、あなた自身の努力とは関係なく「お客様」の判断が売上に大きな影響を与えます。そのため、「こうすれば、必ず売れる」というような一律の答えが存在しないというのが販売工程の大きな特徴です。
しかし、販売工程においてもあなたができることはたくさんあります。
詳しくは、7月18日(2024年)のライブ配信で解説しています。
売上になる工程
この3つの工程のうち、売上に影響がある工程は「生産工程」と「販売工程」の2つです。
売るためのモノを作り、作ったモノを売って売上を得ます。だから、「売上」を考える時には、特にこの2つの工程に注目しなくてはいけません。
先ほどの問題で、「20個作って完売した」というパターンがありました。
このパターンでは、「生産量=販売量」になっていました。さらに、販売時間(マルシェの開催時間)が残っていたため、もっと商品があれば売れたかもしれない状況でした。これは、モノを作る力「生産力」以上に、モノを販売する力「販売力」があるとも言えます。
販売力が生産力を上回っているのであれば、生産力を上げてもモノは売れていきます。
ただし、注意したいのは、モノの販売には限界が必ずあるということ。売れる数以上に作れば、当然売れ残りが出て売上は下がります。反対に、売るモノの量が不足していれば、売上は止まります。
生産力と販売力のバランスを見ておくことが非常に重要なのです。
「売れる」を見つける
生産力と販売力のバランスを保つためには、「どれだけ売れるのか?」をできるだけ正確に把握する必要があります。そして、この「どれだけ売れるのか?」を把握することが、お商売のうちでも一番難しいことかも知れません。
ですが、何もできないわけではないのです。「売れる」を見つけるにはデジタルを使う方法とアナログで見つける方法があります。
POSレジで見つける
デジタルで「売れる」を見つける方法は、何と言ってもPOSレジを使うのが一番確実!
POSとは「Point Of Sales」の略で、直訳すると「販売地点」になります。つまり、商品売買が発生した地点において、商品やその売買に関する情報を集めていくシステムがPOSなのです。そして、その機能を持つレジがPOSレジというわけです。
「販売時の情報」と言われても、ピンとこないかもしれませんね。
販売時の情報は、「販売商品」「販売日」「販売方法」「支払い方法」「販売者」などがあります。他にも、商品にかかる消費税や販売したお店の名前なんかも、販売に関する情報です。
POSレジは、商品名や値段など、集めたい情報をあらかじめ設定、または登録します。そうすることで、商品を販売した時に必要な情報を集めて、あとからそれらのデータを見返すことができるようになります。
POSレジは、取り扱う商品が多い場合はもちろん、マルシェなどによく出店している方におすすめです。また、「売れ筋を見つける作業を楽にしたい」という方も使ってみてください!
無料で使えるPOSシステムもあるので、ぜひ、試してみてはいかがでしょう??
商品タグで見つける
デジタルには苦手意識がある・・・という方や、販売商品の数があまり多くないという場合には「商品タグ」をつかってアナログ管理する方法がおすすめです。
やり方は簡単で、販売する商品の全てにまずは商品タグを取り付けます。この時、商品タグには「商品名&価格」を記載しておきます。
販売時には、この商品タグを取り外して手元に残しておきます。そして、販売終了後に商品タグの数を数えるだけでOK!
詳しい使い方は、動画の中で解説しているので、動画にてご確認ください。
売上アップには「販売力」が欠かせない
動画の後半でも解説している通り、売上アップの基本となるのは作ったモノを販売する、つまり販売力を上げることです。
仮に、今は「生産量=販売量」になっていて、作る量を増やせば売上が伸びる状況だったとしても、生産管理だけで売上を伸ばしていくことは不可能だからです。「作れば売れる」のではなく、「売れるから作る」のです。
それではん販売力はどのように伸ばしていけば良いのでしょうか?
販売力アップについては、7月8日のライブ配信で解説していきます!どうぞお楽しみに!!
ライブアーカイブ動画
生産管理による売上アップの方法を解説しているライブ動画です。
「売れる」を見つける方法なども、動画内で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
資料ダウンロード
また、動画で使用したスライド資料はこちらから確認&ダウンロードできます。