園芸店でのインバウンド実践

あなたが園芸店の店主だったら、お客様にお店を好きになってもらうためにどんなことをしますか?YouTubeライブアーカイブ付き

もくじ

こんにちは!インバウンド実践を教えている津田麻美恵です (⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)

ガーデニングが楽しい季節となってきました♪

そこで、今回の記事では「園芸店」へお客様を惹きつけるためにはどんな事ができるのかを考えていきたいともいます。

記事の最後に、YouTube動画もありますので合わせてご覧ください!


私自身の経験

まずは、私自身の経験から園芸店でのお客様満足とインバウンドを考えていきましょう🪴

私がガーデニングを始めたのは、2023年の夏の終わり。

娘が学校の授業でキュウリを育てたり、息子がお花好きというのもあり、殺風景&狭い自宅前スペースで草花を育ててみることにしました。

ガーデニングは全くの初心者です。

ただ、「ローズマリーで鶏肉のグリル焼きを作りたい」という理由から、ローズマリーを育ててみることにしました。それと、「いかにもガーデニングやってます」感があるハーブの女王ラベンダー。

早速、個人で営んでいる園芸店へ買いに行くことにしました。

園芸店でのやりとり

大きな店舗ではありませんが、園芸店には季節の植物や樹木の苗、多肉植物などいろいろな植物が販売されていました。

お目当てのローズマリーの他に、タイムやレモンバームといったハーブ苗、そして、ちょうど花を咲かせていたラベンダーの株も一緒にレジへ・・・

すると店主の方から、

「ラベンダーは育てるのが難しいのですが、大丈夫ですか?」と…( ˙꒳​˙  )??? ドユコト ???

質問の意図が分からずにいたら、

「お店では綺麗に育っていますが、もともとフランスや北海道など涼しい地方の植物なんです。大阪は高温多湿なんで、ラベンダーにとっては厳しい環境なんですが、自宅でも育てられますか?」

とのこと。

まぁ、園芸初心者なので、「大丈夫ですか?」と聞かれれば、そりゃぁ不安になりますよ。

だから、「じゃぁ、枯れたら可哀想なので、やめときます…(*´..)ショボーン」

結局、ラベンダーは買わずに、ちょっとがっかりした気持ちでお店を後にしました。

その対応で良かったのか?

帰宅してから、その園芸店でのやり取りを思い出していたのですが、正直なところ「やっぱり、あの対応には納得できないな ( ˘•ω•˘ ).。oஇモヤモヤ~」

高温多湿が苦手なラベンダーがお店では元気に育って、花を咲かせている。

ということは、大阪で育てるためのコツがあるということ。

そのコツをお客様に伝えれば、難しいラベンダーの育成にも挑戦してみようと株を購入されるお客様は絶対にいると思うんです!

しかも、園芸店の近所では、世話もされずに野生化したようなラベンダーが毎年花を咲かせているんですよ。

それなのに、「大丈夫ですか?」とお客様の不安を煽るような問いかけをして、結果的にお客様が購入しないとなれば、お店にとっても売上が減ってしまう。お客様もがっかりした気持ちになる。お店とお客様、どちらにとってもメリットはない対応なんですよね。

本当は売りたくないのなら、話は別ですが・・・

同じお店で再挑戦、果たして・・・

しばらくして、「本物の気にクリスマス飾りをしよう!」という話になり、例の園芸店へまた行くことにしました。近所にあるので、行きやすいんです。

そしたら、またしても前回と同じ対応 Σ(ŎдŎ

「ゴールドクレストって、鉄のハサミで剪定すると葉が痛んじゃうんですよ。蒸れにも弱くて、世話が難しいんですけど、大丈夫ですか?」

またもや、「大丈夫ですか?」と不安になるキーワード ( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )

ゴールドクレストについて調べていたら、「鉄のハサミで剪定すると葉が枯れる」「蒸れに弱く管理が必要」ということは知っていました。同時に、剪定のプロが解説している管理方法だと「ポイントさえ押さえれば、鉄のハサミを使っても大丈夫」とういことも知っていました。だから、管理に失敗して、枯らしてしまうかもしれないけれど、やってみなくてはわからない!と思い、挑戦しようと思ったのですが・・・

「大丈夫ですか?」と聞かれたら、やっぱり不安になります・・・( •́ㅿ•̀ )

結局、そのお店でゴールドクレストを購入するのは諦めて、ホームセンターで販売していたシルバースターというコニファー(常緑針葉樹)を買いました。

初心者向けのお店じゃない

同じような事が二度も重なり、考えたことは、「このお店は、園芸初心者の私が行くようなお店ではないんだ。」ということでした。

店頭には、ラベンダーをはじめ、大阪の高温加湿が苦手な植物たちがいくつか並んでいました。どれもしっかり手入れされていて、とても元気そうな植物ばかりです。

また、「店頭販売されている=需要がある」ということ。ならば、これらの植物たちは誰が購入しているのか?

私の予想では、大阪で育てるのが難しい植物でも問題なく育てる事ができる人、つまり、園芸上級者の方達です。

そう思うと、店主さんの質問も納得がいく気がします。

売り物とはいえ、植物は生きています。お店側にとっては、「売れればそれでいい、ということはない」と思います。せっかく買ってもらうのだから、大切に育てて植物との生活を楽しんでほしい。園芸店を営む多くの方はそのように思いながら、植物の販売をしているのではないでしょうか?

だからこそ、「責任を持って育てる事ができる人に買ってもらいたい」のです。

だとすれば、このお店は園芸初心者の私が行くようなお店ではありません… ( ; -᷄ ω-᷅)失礼シマシタ

初心者のための園芸店

それでは、私のような園芸初心者はどんなお店へ行けばいいのでしょうか?

「どうしてもラベンダーを育てたい」

そう思って色々調べていたところ、島根にあるハーブ苗の専門店が、ECサイトでハーブ苗を全国に届けてくれているといことがわかりました。私が育ててみたいラベンダーも、そのお店での取り扱いがありました。

しかし、生き物であるハーブの苗をネットショップで購入するのは初めてのこと。

正直、かなり不安があります。

ですが、最終的にはそのECサイトでラベンダーの苗を購入することにしました。

その理由は、ECサイトがハーブ栽培や園芸が初めてで不安を感じている人や、ネットショッピングで苗を購入することに抵抗がある人へ向けて丁寧に作られていたからです。

例えば、注文から苗のお届けまでの手順もサイト内のコラムで写真付きで説明されていました。苗が発送される前には、「この苗をお届けしますよ」と写真付きのメールで教えてくれます。

また、島根は夏場は高温多湿になり、台風や降雪もあり、乾燥した環境を好むハーブたちにとっては少し過ごしにくい生育環境だそうです。その環境を耐え抜いてきた苗たちは、北は北海道、南は沖縄まで、あらゆる生育環境でも元気に育つ苗になっているそうです。

こういったことは、全てECサイト内のコラムに書かれていました。

中でも、私の背中を押してくれた言葉が

「私たちもたくさん枯らせてきましたが、たくさんの失敗を経験することも必要です」

水やりについて解説しているコラムの中に出てきた言葉です。

ラベンダーは高温多湿を嫌うため、水やりについても心配していましたが、「一度失敗したからとあきらめずにチャレンジしてみてください」というメッセージを読んで

「挑戦してみよう!」という気持ちになりました (*´▽`*)♬*

何をする時も、「はじめて」の時は緊張や不安がつきものです。最初から「難しい」とわかっているのなら、なおさらではないでしょうか?そんな時に、「諦めずに挑戦してください!」と背中を押してもらえるのはとても嬉しいものです。また、はじめてハーブを育てる人が考えるであろう疑問や不安に対して、先回りをした対応を準備しておくことで、「ここなら安心して注文できる」と感じてもらえるようになります。


園芸店がインバウンドを取り入れる時のポイント

ここからは、私の経験を踏まえ、園芸店でインバウンドを取り入れる時のポイントについて説明していきます。

地域の人をお客様にする

まず最初のポイントは、お店に来てもらうお客様をどのようにターゲティングしていくのか?ということ。

園芸店にも、お店によって特色は違います。そんなお店の「ウリ」に共感してくれるお客様に来てもらいたいと思っているオーサーさんは多いのではないでしょうか?お客様とこだわりの植物についてあれやこれやとお話しするのは、オーナーさん自身はもちろん、お役s魔にとっても

ただ、私の考えとしては、最初のお客様は「地域の人」をターゲットにすることをおすすめします。

その理由としては以下のようなものがあります

お店に通いやすい

「地域の人」がお客様になるいちばんのメリットは、お客様がいつでも気軽に来店できるということです。

例えば、あなたが大阪北部で園芸店を開いているとします。

お店に歩いて来れる距離にいるお客様と、他府県から車で来店する必要があるお客様、どちらが頻繁にお店に顔を出してくれるでしょうか?

お客様との関係性にも左右されると思いますが、やはり、歩いて来店できる距離に住んでいるお客様の方がよくお店に来てくれると思います。近所に住んでいるということは、普段からお店を目にしているということ。今は園芸に興味がなくても、「ここに園芸店があるんだ。」と何気なく知っていれば、いずれ園芸に興味を持った時に「近所のあの店に行ってみよう。」と来店のきっかけにもなりやすいのです。

生育環境が似ている

地域の人がお客様なるメリットは、お店とお客様の植物を育てる環境が似ているという点です。

日本は縦に長い形をしています。そのため、北海道と沖縄の気候は全く違いますよね?もっと範囲を狭くして、同じ関西の中でも京都と和歌山の気候は大きく異なるんです。同じ大阪府内でも、沿岸部(南部)と北部の山間部では気温や風の様子も異なるのです。

ですが、お店まで歩いて来れるくらいの距離に住んでいるお客様の家なら、年間を通じた天気の変化はお店とそう変わらないと思います。違う点と言えば、「日当たり」くらいでしょうか?

生育環境が似ていることは、お客様だけでなく植物にとっても嬉しいポイントです。

「園芸店で買った植物はすぐに植えない方がいい」というのを聞いた事はありますか?

これは、園芸店での環境とお客様の家の環境が違うため、購入してすぐに植え替えをすると、環境の変化に植物が驚いて、一時的に元気がなくなってしまうため、「購入後は2、3日置いて、環境に慣らしてから植え替えをした方がいい」と言われています。

地域のお客様の家ならお店の生育環境と大きく変わることはあまりないと思います。そのため、植物に大きなストレスをかけることなく植え替えできるのではないでしょうか?

実際、私も近所のホームセンターで苗を購入することが多いのです。購入後、すぐ植え替えても、どの植物たちも元気に育ってくれています。

育てるポイントを伝えやすい

「生育環境が似ている」ということは、お客様に植物の育成アドバイスがしやすくなるということ。

大阪のお店に、北海道のお客様が来店されたら、季節の変化や気候の特徴があまりイメージできずに、的確なアドバイスがしにくくなると思います。また、気候が変わると、植物もそれに合わせて生育ペースを変化させます。大阪での育ち方と、北海道での育ち方は微妙に違うことがあるのです。そうなると、ますますアドバイスをしにくくなりますよね。

同じ大阪に住んでいるお客様へのアドバイスの方が、より具体的にできるのではないでしょうか?

育成に成功しやすい

お客様に的確なアドバイスができれば、園芸に慣れていない方でも上手に育てることができるかもしれません。

小さな苗がだんだんと大きくなって、見事な花を咲かせてくれたり、色鮮やかな葉を広げてくれる様子を見るのは園芸の醍醐味。もっともっと、いろんな植物を自分の手で育ててみたいと思います .。.:*・'(*°∇°*)’・*:.。.

お客様が育成の成功体験を積み重ねて、「もっと違う植物を育ててみたい!」と思えば、新しい苗を買いにあなたのお店にまた来てくれる可能性があります。なんといっても、頼りになるアドバイスをしてくれるのですか!

地域のお客様だからこそ、アドバイスが生きてくるといっても過言ではないでしょう ( •̀∀︎•́ )✧︎

商材とお客様の要望を理解する

次に紹介するのは、園芸店で取り扱っている商品理解をベースにお客様満足を追求し、売上へつなげて行く方法です。

売上を決める3つの要素

お店の売上は、「顧客数」「単価」「購入頻度」これら3つの要素を掛け合わせることで決まります。

この売上を上げるためには、購入頻度を上げるリピート、顧客単価を上げるためのアップセルやクロスセルという考え方が必要になります。園芸店ではどのように行うことができるのでしょうか?それぞれ解説していきます。

繰り返し購入(リピート)してもらう

まずは、同じ商品を何度も購入してもらうリピート。

園芸店の商材で、リピートを促せる商品にはどのようなものがあるのでしょうか?

毎年の買い替えが楽しい一年草

植物の中には、春に蒔いた種が発芽して、成長して花を咲かせ、種を作って枯れるまでの周期が一年以内のものがあります。そういった草花を「一年草」と呼びます。

代表的な一年草は、アサガオやヒマワリ、パンジー、ビオラなど。季節を代表するような花は一年草が多いように思います。

そんな一年草、見頃が終われば、株を処分して、次の年にはまた新しい苗を購入することになります。そのため、一年草はリピートを促すための商品としてピッタリです ⸜( ´ ꒳ ` )⸝✩︎⡱

園芸グッズ

ガーデニングに使用する道具などにも、リピートを促しやすいものはたくさんあります。

例えば、「ガーデニング手袋」。台所用のビニールグローブを使う方も多いですが、私は滑り止めがついている作業用手袋を愛用しています。重たい土やプランターを運んだり、ガーデニング中に何度もつけたり、外したりを繰り返し、使用後には洗っているため、手首あたりのゴムがよれて使いにくくなります。ただ、値段が高い商品ではないため、同じ商品をまとめ買いしています。リピートですね。

また、植物を育てていると、根の成長に対して鉢の大きさが合わなくなってきます。そうなると必要になるのが、プランター。植物の種類が増えたり、寄せ植えをする時にも必要になりますよね。

他には、土や肥料、栄養剤などもリピートされる商品です。

関連商品を購入してもらう(クロスセル)

これからガーデニングを始めようと思った時に、育ててみたい植物の苗だけを購入しても、その苗が元気に育つことはありません …( ´-ω-` )

苗を植え付ける場所がないのなら、プランターや鉢が必要になります。土も植物が育つための栄養分が配合された土を使った方がよいですし、これから育てる植物や生育環境によっては、水やりや剪定のための道具なども必要な場合があります。

このように、お客様が本来購入したい商品と関連する商品も併せて購入してもらうことで顧客当たりの売上単価を増やす方法を「クロスセル」と呼びます。

ネットショッピングをしていると、「この商品を買った人は、こちらの商品も買っています」とおススメがでてきたり、セットで購入できるボタンが出てきたり・・・そういう画面を見たことがある人もいるのではないでしょうか?

園芸店では、「ガーデニングフェア」を開催しているのをよく見かけます。あれは、店内の商品を割引することで、お客様がたくさんの種類の苗を購入しやすくするという効果もあります。

「ハーブ苗を買うつもりが、ユーカリも買ってきた」というのは、私が実際に経験したクロスセルです (;´Д`)カッテシマッタ…

商品のグレードアップ(アップセル)を促す

顧客一人当たりの購入金額を増やすために、お客様が現在使用している商品よりも、グレード(値段)が高い商品を購入してもらうことをアップセルと呼びます。

例えば、普段はコンビニのプリンを買って食べるけれど、大きなプロジェクトが完了したら、そのご褒美として、専門店の高級プリンを購入する・・・といった具合です。アップセルは、「ご褒美消費」を促すためによく使われます。

園芸店では、どのようなことができるでしょうか?

正直なところ、「ご褒美で植物を買う」という方はかなり少ないと思います (^_^;)

ですが、植物を買って育てるという方でなので、それなりに「植物が喜ぶことをしたい」「植物を元気に育てたい」とは考えていると思います。私もそうです ヾ(*‘ω‘ )ノ

では、植物が喜んで、元気に育ってくれること、とはどんなことでしょうか?

先ほどの「大きな鉢への植え替え」はいくつかある植物が喜ぶことの一つです。

根が成長してくると、鉢の中は根がパンパンに詰まって窮屈になります。「根詰まり」という状態 (⌯ᵒ̴̶̷̥᷄ ᐜ ᵒ̴̶̷̥̥᷅ )

今使っている鉢よりも大きなものへ植え替える必要が出てきますよね。そこで!「今の鉢よりもおしゃれなデザインを使ってみませんか?」といった提案ができます。

あるいは、育成用のポットから移し替える時・・・「植物の雰囲気に合うかっこいいポットがありますよ!」というような提案もできます。多肉植物のアガベは、大きくなると迫力も増すので、鉢もアガベ本体に負けないくらい力強いデザインが似合うと思います ( •̀∀︎•́ )✧︎ カッコイイ!

他にも、今までは多肉植物ばかり育てていたけれど、ハーブにも挑戦してみたいな・・・こんなふうに、新しい植物にチャレンジする時にも、アップセルの機会は隠れているかもしれません。

このように、売上単価を増やす方法はリピート、クロスセル、アップセル、3つの方法があります。

しかし、ここで注意していただきたいのは、

ということです。

売上は、お客様がお金を支払われた瞬間に発生します。ここで覚えておくべきなのは、「支払う」と決めるのは、誰なのか?ということ。

お金を受け取るあなたですか?違いますよね。

「支払うかどうか」を決めるのは、お客様です。

お店側であるあなたがやるできことは、お客様が判断できるように「判断材料を提案する」こと。例えば、お客様が購入した植物はどんな環境を好むのか?お客様の家では、どうすれば植物が好む環境を作れるのか?

あなたは、植物に関する知識やアイデアを持っています。

お客様が持っているのは、購入意欲と購入資金(お金)です。しかし、「買いたい」気持ちだけでは、どの植物を買えばいいのか?はわかりません。

そこで、植物をよく知るあなたが、お客様の植物選びを助けてあげるのです。

そうすれば、お客様は快く「あなたがいうんだから、自信を持って買えるわ!」と購入を決めることができます。

押し売りをせず、お客様が気持ちよくお買い物ができるためにはどうすればいいのか?

別の機会にもお伝えしていきますね ( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧

スタッフ教育でお客様サポートを充実させる

お客様満足のために、園芸店でできること。最後のポイントは「スタッフ教育」です。

園芸に限らず、スタッフ教育まで手が回らない・・・というのはどこの業界でも大きな課題の一つだと思います。ですが、スタッフ教育を怠っていてはお客様満足を向上させることもできません。そうなると、売上への影響も少なくはないでしょう。

園芸店でお客様満足を上げるために必要なスタッフ研修とは、どのようなものでしょうか?

園芸店はお客様とのやりとり(接客)が業務の中に含まれていることが多いです。そのため、接客マナーの研修を考えるオーナー様は多いかもしれません。

しかし、私は園芸店では接客マナーの研修を行う必要性はそれほど高くないと思います。

なぜなら、ホテルや空港ラウンジ、百貨店などと違い、園芸店では接客そのものがサービスではないからです。極端な話、お客様と「タメ口」で会話をしても、それほど悪い印象にはならないことさえあります。

それよりも、園芸亭のスタッフ研修で大事なことは「商品知識」です。

お店で取り扱っている植物に関すること、手入れや育て方などは、お客様が知り得ない情報もたくさんお店に入ってきます。そういった情報を、研修で共有するのです。

とはいうものの、植物の種類はとんでもなく多く、覚える知識の量はどんなに時間をかけても覚えきれるものではありません。また、スタッフ自身も日々の業務が忙しく、わざわざ時間を作ってまで勉強するなんてことは難しい場合もあると思います。

「お店の仕事をしながら、スタッフに植物のことなんて教えきれない!」という声が聞こえてきそうです。

そのように感じてしまうのは、一人のスタッフに対して、店で扱う全ての植物に関することを教えようとしているからではないでしょうか?

お客様に喜んでもらうために、お店の植物の全てについて勉強する必要はありません。

これは、その園芸店で働くスタッフの人数や勤務形態、そして何よりも、スタッフ本人の希望にもよりますが。「まずは、自分が好きな植物についてはエキスパートになる」くらいで十分です。

例えば、観葉植物にもいろいろな種類があります。もちろん、観葉植物全般を勉強してもいいですが、アンスリウムが好きなスタッフなら、「アンスリウムのことなら、私に任せてください!」と自信がもてるくらいその植物について学んでみるのがおすすめです。

そして、フタッフのネームプレートに「〇〇のことならなんでもご質問ください!」と買いたり、店内にスタッフ紹介のポスターを貼って、得意な植物について紹介するのもいいと思います。

そういった店内の掲示物は、お客様も意外と見てくれています。ですので、お客様も気軽に声をかけやすくなると思いますよ。

商品知識だけでなく、スタッフが販促キャンペーンを考えてくれた際には、SNSでスタッフ本人に情報発信をしてもらうのもいいでしょう。店内のキャンペーンスペースでも、「当店スタッフ〇〇が考えました!感想をおしえてください!」というふうに紹介すれば、お客様もお店やスタッフさんへの親近感が沸きます。

お店やそこで働く人に対する愛着は、何度もお店に通い、購入してお店を応援する重要なきっかけです。

「売る」のではなく、お客様と仲良くなる方法を考えてみましょう。

お客様を増やす

お客様が定着してきたら、新規のお客様開拓も行なっていきたいものです。

オンラインショップ

園芸店で扱う商材の中には、用土やプランター、ガーデニング用具など、オンラインショップでも販売しやすいものも多くあります。また、動物と違って、植物は輸送時にガッチリと固定して運ぶことができるため、植物そのものをオンライン販売して顧客数を広げるという方法も可能になります。(ただし、販売や輸送に関する法律などがある場合は、それらをクリアしてくださいね!)

SNSなどで情報発信

お店に来てもらうために一番重要なことは、「お店の存在を知ってもらう」こと。大きな広告費をかけることができなくても、今は無料で運用できるSNSがあります。InstagramやYouTubeは草花のビジュアルを生かしながら情報発信できるのでおすすめです。

地域のイベントに参加する

地元に愛されるお店になりたいのなら、地域で開催されるイベントに出店してみましょう。子育て世代向けに、親子で小さな寄せ植えや押し花などを作るワークショップなどは人気が出そうじゃないですか?また、多くの小学校では、学級菜園などで野菜や植物を育てる授業があります。基本的には、担任教諭が授業を行いますが「植物のプロ」として出張授業を行うのはどうでしょうか?子供達に土や植物と触れ合う楽しさを伝えることができます。

ガーデニングイベントを主催する

参加できそうなイベントがないのなら、いっそのこと、自分たちでイベントを立ち上げてはいかがでしょうか?店舗を構える園芸店なら、場所を確保する必要はそれほど心配ないと思います。後は、どんなイベントにするのかを考えて、SNSなどで発信していくだけです。ガーデニングにこだわらず、「自然」をキーワードにイベント出店を募集することも可能です。そうすれば、出店者のつながりでお客様も増えていきます。

このように、実店舗を持ちそこで魅力的な商品を取り扱っている園芸店だからこそ、さまざまな方法で集客を行うことができると思います。そして、そういった集客成功のカギを握るのが既存のお客様とのつながりです。お客様の数を増やすだけでなく、お客様との関係も良い関係を作れるように意識してくださいね ・:*+.(( °ω° ))/.:+

園芸店での顧客情報管理

それでは最後に、園芸店での顧客情報管理(CRM)について、ポイントをまとめていきます。

園芸店に来店されるお客様の人数というのは、個人サロンの来店数とは比べ物にならないと思います。個人サロンでは、多くても1日8〜10人の来店が一般的だと思います。実際には、「丁寧に接客したい」ということで1日平均3〜4名の来店で経営している個人サロンが多いのではないでしょうか?

それでは、園芸店には1日どれくらいの人が来店しているのでしょうか?

正確な数字を把握しているお店は少ないと思いますが、ガーデニングの時期や天気が良い週末などは100名近くのお客様が来店され、店内がごった返すという園芸店も少なくはないと思います。

たくさんの顧客情報を管理するのは大変に感じますよね?

ほとんどの園芸店では、顧客情報の収集をしていないと思います。

POSレジの導入がおすすめ

とは言っても、どの時期にどんな商品が売れているのかが分かれば、仕入れを行うときにも便利です。売上情報から集客イベントのヒントが見つかるかもしれません。

それを叶えてくれるのがPOSレジと呼ばれるレジシステムです。POSとはPoint Of Sales(販売のポイント)の略で、POSレジとは商品を販売した時の情報を記録・集計できるシステムを搭載しているレジのこと。

POSレジを使えば、「いつ、どの商品が、どれだけ売れたのか?」がわかるようになるんです。

POSレジを導入することで、入出庫や在庫管理に必要な「商品点数の把握」もデータ化して行えるようになるため、在庫の無駄を減らしたり在庫管理のための工数や時間を軽減することにもつながります。

このように、店舗側にとって大きなメリットのあるPOSレジですが、お客様にとっても売上データを活用することができます。

POSレジの中には、「顧客情報管理」ができるものがあるのです。つまり、お客様情報と売上データの紐付けを行えるということです。

これによって、「どのお客様が、いつ、どの商品を、どんな決済方法で、どれくらいの個数購入したのか?」という詳細なデータを集めることができます。

POSレジで集めた情報を使って、「観葉植物が好きなお客様」を絞り込み、観葉植物フェアに関する情報を届ける。そういった使い方ができるのです。あるいは、何年も通ってくれているお客様だけに、特別なキャンペーンを企画したい。これも、POSレジの情報を使えば可能になります。


今回はかなり長い記事になってしまいました ( ; -᷄ ω-᷅) スマン

園芸店でインバウンドを実践するポイントは、動画にもまとめています。

こちらの動画もぜひ、ご覧ください!!

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